天竺川
【てんじくがわ】

神崎(かんざき)川の支流。指定流路延長7.6km。千里丘陵の中央部，豊中市上新田２丁目付近に発し，南西流して熊野町１丁目付近で，南流してきた兎(うさぎ)川を合わせ，府立服部緑地西縁など豊中市東部を縦断し，豊南町南５丁目で神崎川に合流する。上流域の上新田は近世に入るまで原野であったが，寛永３年に山田下村の田中七兵衛（恵雲）により開拓された新田村落であり，新田開発に当川の水が重要な役割を果たした。なお，兎川流域の熊野田には多くの古窯址群が発見されている。しかし，上流域一帯は千里ニュータウンの建設によりすっかり宅地化され，水路も下水路の様相を呈しつつある。中・下流域では，上野青池古墳・野畑古墳・長興寺や庄内の弥生時代の遺跡などがあり，また条里遺跡も確認されている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7151697