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天満砂堆
【てんまさたい】


淀川低地・河内低地の出口に位置し,千里山丘陵および上町台地の間の狭隘部(かつての河内湾入の湾口)の上町台地側に,沿岸流によって北に向かって形成された砂質の砂嘴状微高地。上町台地との接点である土佐堀川から北に延び,大阪市東淀川区淡路1~5丁目付近に達し,最大幅2.1km・長さ4.5kmを有する。現在の海抜は3~6mで,基部が高く,先端に向かって低下し,基部付近では周辺低地との比高が3m以上ある。南方延長には,上町台地の西縁に付着する幅1~2km・高さ2~4mの難波砂堆が連続する。当砂堆上は難波砂堆とともに低地上の微高地として早くから集落を立地させ,大阪市の中心的繁華街である梅田や十三もほぼこの砂堆上に乗っている。大阪湾を襲った三大台風(室戸・ジェーン・第二室戸)のいずれの場合も当砂堆上の市街地は冠水害をほとんど受けず,市内では上町台地に次ぐ安全な地域である。砂堆上には,国分尼寺跡(東淀川区柴島(くにじま)1~3丁目)・薬師堂廃寺(東淀川区柴島1~3丁目)・国分寺廃寺(大淀区天神橋7~8丁目付近)など,奈良期から平安期にかけての遺跡が分布しており,遅くとも古墳時代末頃には,すでに砂堆が形成されていたものと考えられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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