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陶器山
【とうきやま】


堺市と大阪狭山(おおさかさやま)市の境界にある山。標高153.8m。狭山丘陵の一部をなし,東方の天野川,西方の石津川の分水界となっている。現在,付近一帯は泉北ニュータウンをはじめ宅地化が進み,丘陵は,市町界周辺にその姿をとどめるにすぎない。山名は,「日本書紀」に「茅渟の県の陶邑」と記されているように,この一帯の丘陵が古代の一大窯業地域であったことに由来し,丘陵南斜面に二百数十基の古窯(登り窯)址が発見されている。この地域に古代窯業が立地した条件としては,大阪層群中に含まれる淡水成粘土を材料に,焼成時の燃料として丘陵をおおっていたマツや雑木が利用できたことなどによると考えられる。また,山の北西に式内社の陶荒田神社があり,西方に位置する高蔵寺の旧名を大修(須)恵院といったことなどからも,この地域が須恵器工人集団の活動地であったことがわかる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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