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長尾滝
【ながおのたき】


東大阪市東部の山手町にある滝。生駒(いこま)山西腹を流下する長尾渓(額田谷(ぬかただに))の水源近くにあり,近鉄奈良線額田駅から東へ1.6km,標高360m付近に位置する。滝は上・下2段からなり,上段は雄滝と呼ばれて落差約10m,下段は雌滝と呼ばれて落差は約6m。生駒山地では最大の瀑布とされ,東大阪市文化財保護条例の指定を受けている。その景観を「河内名所図会」は「此双竜の飛泉(たき)を見るに,雲に飛で素練を垂,石に濺(そそひ)て,明珠を散すが如し」と形容している。滝名は,天正年間に前関白近衛前久が山下の今の重願寺の位置にあった不動寺にもうでて詠んだ「たづねずばありともここに山鳥の長尾の奥の滝の白糸」の歌を,のちに,寛政年間に活躍した梵学者,慈雲尊者が雌滝の手前の巨岩に刻んだことに由来するという(府誌5)。現在この一帯は金峰山修験本宗修験禅道場長尾山天竜院の境内となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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