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波除山
【なみよけさん】


瑞賢(ずいけん)山ともいう。大阪港の近くにあった人工の山。九条島(古くは衢壌島)を貞享元年に開削したときの土砂を南岸に盛りあげて造られた新山であり,航海の目印として利用された。この九条島の開削は,江戸幕府の命をうけた河村瑞賢によるものであり,これによって淀川は直流するようになり,その新川は元禄11年に安治(あじ)川(長さ3km,幅90m)と命名された。波除山は安治川開削の過程で誕生したことから瑞賢山とも呼ばれた。しかし,瑞賢による安治川開削後も,淀川の流砂の河口堆積が著しく,再び大阪市街は洪水の危機にさらされたため,天保2年幕府は新見正路に命じ安治川の浚渫を行わせた。その時の土砂を盛りあげて造られたのが天保山であり,波除山の南西約3.1kmにある。波除山は明治末年までは残っていたが,今日ではその姿は見られない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7152334