100辞書・辞典一括検索

JLogos

18

平野川
【ひらのがわ】


河内平野を流れる川。指定流路延長17.4km。府東南部の柏原(かしわら)市古町1~3丁目付近で大和川から樋管を通じ分派し,大和川以北の余水を集めて八尾(やお)市・大阪市平野区を経て北西流,生野(いくの)区に入ってから北に流れを転じ,東成(ひがしなり)区から城東区に入り,森之宮で第二寝屋川に合流する。もとは八尾市植松付近で旧大和川(古大和川)本流から分岐する支流であったと考えられるが,その後灌漑や水運の便のために八尾市亀井町1~4丁目付近から柏原市まで流路を延長したものと推測される。また最下流部では,以前は大坂城の東北部で大川(旧淀川本流)に合流していた。当川は,上流から下流にわたって部分的にさまざまな名称で呼ばれており,最上流部から了意(りようい)川・竜華(りゆうげ)川・百済(くだら)川,平野郷を過ぎるころから平野川と呼ばれていた。平野川は,近世における大和川水運の主要ルートの1つであった。当川筋に最初に船を通そうとしたのは安井了意で,渋川郡亀井村馬ケ渕(現八尾市)から大坂までを船の通行ができるように掘り開いたが,営業的には失敗であった。その後,志紀郡代官末吉孫左衛門によって再興されたのが,柏原船と呼ばれるものである。最盛期には70隻の船が運行。すべて浅川船で,二十石積といわれる船であった。旧大和川筋の剣先船,大和川付替え後の井路川船とともに大坂と河内・大和方面を結ぶ重要な輸送路としての役割を果たした。なお,昭和25年に生野区巽南4~5丁目から城東区放出(はなてん)西1~2丁目の寝屋川まで6.7kmの平野川分水路が着工され,旧水路も東大阪治水対策事業により直線化された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7153427