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不本見山
【ふもとみやま】


南河内郡千早赤阪村東阪(あずまざか)にある山。標高400.9m。古くは本不見(もとみぬ)山といった。千早川右岸に位置する。金剛山頂(1,125.3m)から北東にのびる尾根の延長にあり,花崗岩よりなる。富田林(とんだばやし)から千早に向かう千早街道の左に孤立してそびえ,四周いずれからも円錐形の山容を望める。寛政5年の「河州石川郡本不見山円通寺平等院縁起」によると,孝霊天皇の御世に一夜の間に山が湧出したので,人々は「夜山」「もと見ぬ山」と呼ぶようになったという。古来山岳信仰の対象で,山頂には蔵王権現はじめ幾多の祠や堂がたてられた。明治の神仏分離令により不本見神社となり竜田神を祀る。山は神域で,照葉樹の多い深い樹木におおわれている。また,元弘2年の楠木正成の千早籠城の時,砦の1つに利用された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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