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三草山
【みくさやま】


豊能(とよの)郡能勢町の西部,兵庫県川辺郡猪名川(いながわ)町との境にある山。頂上は能勢町域にあり,標高564.1m。「摂津風土記」によれば,美奴売(みぬめ)神の居た所ということから美奴売山(敏馬山)とも呼ばれた。この山は元暦元年の源平合戦の古戦場でもあり,「吾妻鏡」に「(平家)七千余騎,着于当国三草山之西,源氏亦陣于同山之東」と見える。北東山麓の能勢町神山(こやま)地区には岩坪古墳と源満政の石塔なるものがある。周辺には水田が標高300~500mの高位部にまでみとめられるが,これは付近の地質が石英閃緑岩で,その風化土壌が雨水を地中によく浸透させるため地下水が豊富であり,ガマ(洞穴の意)と呼ばれる地下水路をうがち,棚田に水を供給できることによる。湧水を蓄える小溜池も多く,農家は横井戸をうがち飲料水を得ている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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