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青野ケ原
【あおのがはら】


播州平野の中央部に広がる加西台地の東端に位置する台地。標高80~90m,東西3km・南北10km。小野市・加西市・加東郡滝野町にまたがる。更新世前・中期に加古川によって形成された広大な扇状地の名残で,地層は,下部が古生層・生野層群・神戸層群,上部が厚い段丘礫層からなる。2段の高位段丘が広く分布し,西側の桑原田や中垣内(ともに加西市)には中位段丘や低位段丘が発達する。表層には沖積世に生成された黄色土,最終間氷期およびそれ以前に生成された赤色土(トラ斑土)や数枚の火山灰が堆積している。台地上の鶴池や平池では旧石器が出土し,古墳も分布するが,土壌は強酸性でやせており,しかも水利に恵まれず開発が遅れ,かつては加東郡と加西郡21か村の入会秣場となっていた。台地の本格的な開発は,享保8年幕府によって高岡(滝野町)・別府(加西市)が開かれたことに始まり,同時に了徳寺池の築造,任溝・下溝の掘削が行われ,一帯は青野原新田と呼ばれるようになった。台地の中央・南部には明治24年陸軍の演習地ができ,青野原厰舎が設営された。昭和21年に米軍に接収され,同32年からは自衛隊の演習地となっている。昭和20年県による500haの開拓が行われ,300戸が入植している。昭和36年には県営パイロットファームに指定された。現在,桑原田でブドウ生産が行われ,ほかは畑とアカマツ林が続く。北部の滝野町には播磨中央公園が開設され,高岡には工業団地が造成されるなど,地域は変貌しつつある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7155021