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市川
【いちかわ】


県中央部を南流する川。流長75.796kmで,加古川に次ぐ県内第2位の長さ。流域面積約496km(^2)。三国岳(855m)付近に源を発し,南西流して朝来郡生野町の中心部をぬけて以後は南流する。神崎郡大河内町で栃原川・犬見川・小田原川,神崎町で越知川,市川町で岡部川,福崎町で七種川,香寺町で恒屋川などの支流を合わせ,姫路市砥堀の地峡部を経て飾磨区妻鹿で播磨灘に注ぐ。上流の生野・神崎町付近では小規模な沖積平野を形成する。中流の福崎町以南では河岸段丘が発達する。早くから水田化が進み播磨の穀倉地帯の一翼を担ってきた。砥堀の地峡部以南では分流と河道変遷を繰り返し,夢前川・揖保(いぼ)川とともに複合三角州である播磨平野を作ってきたが,池田輝政の築城の際の大改修により現河道に固定された。川は浅瀬が多いため水運はあまり発達しなかったが,河谷は但馬へ通ずる絶好の交通路となり,古くから但馬街道として利用されてきた。現在もJR播但線・国道312号・播但連絡道路が通り,山陽と山陰を結ぶ陸の幹線となっている。また上流部は重要な電源地帯となっており,黒川ダムは揚水式ではわが国第2位の奥多々良木発電所を支えている。支流の犬見川でも大河内水力発電所の建設が進む。河川名は,播磨国府の市場として「枕草子」にもその名が見える「飾磨市」のそばを流れていたことに由来する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7155594