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稲葉川
【いなんばがわ】


城崎(きのさき)郡日高町を貫流する川。流長21.3km,流域面積91.1km(^2)。美方郡村岡町境の小城越(約700m)に源を発し,神鍋高原南部を東流し,日高町篠垣で阿瀬川を合わせ,宵田で円山川に合流する。上流の山地は氷ノ山後山那岐山国定公園に属する。神鍋火山噴出の溶岩は,かつての稲葉川渓谷を埋積し,稲葉川はこの溶岩流に溶岩崖をつくって流れる。流域一帯には,滝(八反の滝・十戸の滝など)・甌穴・溶岩瘤・堰止湖・風穴・スコリア丘などの溶岩地形が発達する。稲葉川の河水は,栗栖野・名色付近より伏流水となり,十戸北部の溶岩流間より湧出。ワサビ栽培(享保年間開始)・ニジマス養殖(大正12年)・上水道源(大正13年)のほか,水力発電(稲葉川発電所―大正9年開設,昭和19年廃止。石井発電所―昭和29年開設,岩中発電所―同32年開設)にも利用される。十戸では毎年4月第2日曜日にニジマス釣り大会と清水祭が行われる。流域の神鍋高原一帯はスキーをはじめ,各種スポーツ施設が完備されて,四季型観光地として知られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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