100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

鶉野
【うずらの】


加西市南部の万願寺川右岸に位置し,北条鉄道法華口駅より北へ約4kmにわたって広がる台地。標高60m前後。加古川中流域に発達する中位段丘面に当たる。地名は,かつてこの地に鶉が多く生息していたことにちなむ。台地の南端部は西国三十三か所巡礼道に当たり,旅人目当ての遊郭があったところで,いまも遊女の墓が残っている。盛時は播磨室津の郭と並び称されるほどにぎわったというが,詳細は不明。江戸初期に台地の一部が開発されたらしく,「元禄郷帳」に鶉野新家の名が見える。第2次大戦末期には日本海軍が姫路航空隊を設置し,昭和20年に滑走路が完成したが,飛行機が発着することなく終わったという。その滑走路の名残は,現在も残っており,自衛隊の訓練用地となっている。戦後まもなく60世帯が入植し,現在の鶉野中町付近の開拓に成果をあげた。また,神戸大学農学部の農場も設置された。近時,工場の進出もみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7156027