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枝川
【えだがわ】


武庫川の河口部に三角州が形成された際,流路が二分されてできた,かつての武庫川の分流。現在の西宮市戸崎町で武庫川より分かれ,南西流して枝川町で大阪湾に注いでいた。三角州には鳴尾村や江戸中期以降の新田開発による集落があり,しばしば水害に見舞われていたが,河川改修は実現せず,大正期に至りこの地域が阪神間の住宅地として注目されるようになって改修工事は現実のものとなった。枝川と支流申川の埋立て工事は大正9年に着工,同12年3月竣工。廃川敷地80.72haのうち73.92haは410万円で阪神電鉄に売却された。阪神電鉄は同13年,かつての枝川・申川分岐点に,この年の干支にちなむ甲子園球場を建設したのをはじめ,昭和4年には甲子園娯楽場(のちの阪神パーク)をつくった。一方昭和3年から住宅開発にも着手し,かつての枝川は上・中・浜甲子園3地区の高級住宅地となった。同5年には上甲子園の武庫川畔(現戸崎町)に建築家ライトの作風を伝える遠藤新の設計した甲子園ホテルが建設された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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