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大倉山
【おおくらやま】


神戸市中央区,JR山陽本線神戸駅の北方にある小丘。標高55.7m。近世には安養寺山といい,明治12年から大倉山と呼ばれるようになった。神戸市街地北部の中・低位段丘面上に大阪層群上部があり,北部を会下(えげ)山断層によって切られている。兵庫の津と丹生(にぶ)山田荘の通路の要衝に当たり,天正年間の荒木村重の兵乱には池田信輝は諏訪山と大倉山に付け城の砦を築き,花熊城を包囲している。安養寺山の名は南東麓にある尼崎藩主青山氏の菩提寺安養寺に由来する。明治8年官有地となり,大倉喜八郎が大部分を買収し別荘を建てた。当時,神戸駅・湊川神社一帯は兵庫裁判所・神戸区役所(後の市役所)・宮内省御用邸などが集中し,神戸の中心地の観があり,大倉山は松樹に覆われた小丘で,景勝の地を占めていた。明治43年大倉喜八郎は公園設置を条件に神戸市へ寄贈,大倉山公園となり,以後大倉山の名が定着した。現在頂上は平坦地となり,ふるさとの森・いこいの家(春畝館)・野球場などがある。山麓には神戸市立中央図書館・神戸文化ホール・中央体育館と続く緑地を形成し,北西麓には神戸大学医学部,東は宇治川を隔てて海洋気象台など,神戸市の文化施設ゾーンを形づくっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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