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鎌倉峡
【かまくらきょう】


鎌倉谷ともいう。船坂川下流にある峡谷。西宮市山口町平尻(へいじり)から神戸市北区道場町生野水久野に至る約3,500m。船坂川は有馬層群を切って,流紋岩質凝灰岩・凝灰角礫岩の中に先行性峡谷を穿つ。両岸の崖上より落下する瀑布と岩壁と青葉・黄葉は,最明寺入道時頼の伝説と結び,有馬温泉を訪れる文人の好むところとなった。最近は道路も改修され,ピクニック・飯盒炊爨に訪れる人も多い。付近に関西地区の大学セミナーハウスも設けられた。雁頭の滝は圧巻で,雁頭岩の下に甌穴をつくり,数段に分かれた滝が青色の奇岩・怪石の中を落下する。振鷺の滝は竜山の下,高さ3m,幅は出水の際は20m。白鷺の羽ばたくように見える。昔は修験者の行場。松笠の滝は松笠山の中腹,冬凍結の時が美しい。一葉渓は約30mの高さから3段になって落下する。百丈岩は巨岩。鎌倉峡の名は最明寺入道巡歴の伝説による。一説には羚羊(かもしか)谷を訛ったともいう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7157107