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来日岳
【くるひだけ】


単に岳(だけ)ともいう。城崎(きのさき)郡城崎町来日にある山。標高566.7m。山体は第三紀層上に噴出した火山岩で,宇日流紋岩・石英安山岩・椿色安山岩からなる。北兵庫の秀峰で,山陰海岸国立公園の一部。豊岡盆地から鉢を伏せたような山容を望むことができる。植生は,但馬の全植物が生育するといわれるほどに種類が豊富。ナンキンハゼ・ユズリハ・シャクナゲ・ヤマボウシ・クマザサなどの群落がある。山上の八畳岩(かじかけ岩)が展望台。眺望は雄大で,北に山陰海岸国立公園,南に但馬山岳国定公園,足下には円山川と豊岡盆地が開ける。秋の雲海と雲海登山は有名。山頂には,昭和40年NHKテレビ中継塔が設置され,同42年自然公園整備事業により山頂公園を整備,以後,来日岳森林公園整備計画を実施。昭和59年にはひょうご森林浴場50選森林公園タイプに指定。登山道は,北側の紅葉平を通る町道来日山線と南側の雲光寺を通る林道来日線があり,林間歩道も整備されている。富田砕花「歌風土記」には「来日岳は陽にあたたかく映えたれど気比の渡の秋の汐の香」と歌われている。伝説に「狂いの土ぐも,来る日の岳にこもる」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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