坂越湾
【さこしわん】

県南西部，赤穂市の瀬戸内海岸にある湾の１つ。西の千種川河口と東の相生湾との間にある。湾奥の坂越港は，赤穂の城下町形成以前のこの地方の中心地として古来からの港湾として栄え，江戸期から明治22年山陽線の開通するまでは赤穂塩や千種川流域の物産などの積出し港であったが，その後は鹿ノ瀬などの好漁場に近いことから漁業港としての性格が強まった。また，地形的に深い湾入は避難港の役割も果たしている。湾の入り口付近にある生島はスダジイやウバメガシなどの熱帯性植物の自然林からなる無人島で，生島樹林と呼ばれる国天然記念物である。島内には伝秦河勝の墳墓がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7158731