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座頭谷
【ざとうだに】


西宮市塩瀬町にある谷。延長1,810m。武庫川の支流太多田川の六甲山側斜面にある。その斜面は六甲断層帯の圧砕を受け,座頭谷などの浸食谷をつくり,茶褐色の岩峰・奇岩が連なる奇勝地となっている。棚越の下方黒岩付近から広い谷となるが,その中央を砂防堰堤に整然と制御された川底が続く。荒々しい自然と六甲山地治水工事の典型的な対照を示す。明治35年から昭和8年に至る防災工事の効果は,昭和13年大風水害の際証明された。座頭谷の名は,有馬に向かった座頭が,有馬街道で分岐道を誤り,荒地の谷に迷い込んで遭難した。その遭難を憐んで名付けられ,有馬街道との分岐点には「右ありま道」と刻んだ太閤しるべ岩がある。奇景とともに六甲治水発祥の地。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7158798