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庄下川
【しょうげがわ】


尼崎市北西部に源を発し,南東流し,富松川・下坂部川・昆陽川などを合流しつつ次第に流れを南に変え,大阪湾に注ぐ川。流長6,450m。弥生時代までは乱流する武庫川の本流であったこともあり,その頃の河口部と考えられている尼崎市栗山を中心とする地域から弥生時代の遺跡が出土している。流域は大部分が低平な沖積地であり,河床勾配が緩く自然流下量が小さいうえ,工場が多く立ち並び,市内でも汚濁の甚だしい川となっている。大正4年に流域にできた製紙工場の排水により「庄下川はまるでドブのようになった」と記述されている(尼崎今昔物語)。また工業用水としての地下水の汲上げによる地盤沈下も起こり,昭和25年9月3日のジェーン台風の時には河水があふれ,東海道本線以南が冠水した。これらの対策のため,閘門式堤防・工業用上水道を整備し,また尼崎市西長洲本通4丁目に庄下川水質自動監視測定所を設けて水質向上に努めている。国道2号の北側,尼崎総合文化センター前をはじめとして流域の緑化,公園化も進められている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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