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書写山
【しょしゃざん】


姫路市の北西部,飾磨(しかま)郡夢前町との境にある山。標高368.2mを最高所とし,ほかにいくつかの峰がある。東は夢前川,西は菅生川で区切られ,南麓は平野部に続く。北は夢前町清水谷から同町寺に通じる峠道で,北方の山地と区分され独立した山塊をなしている。山頂部は300~360mの小起伏の波浪状の地形が続き,中国山地の準平原の断片的な平坦面がみられる。岩石は流紋岩からなる。西播丘陵県立自然公園の一部。山頂部の峰々には書写山円教寺の伽藍が立ち並ぶ。同寺は西国三十三か所観音霊場第27番札所としても知られる。山名は白山の峰に祀った素戔嗚尊の名から,「そさ山」といったとも,円教寺の書経から書写の名が出たともいわれる。円教寺をめざして,周辺山麓から6か所の登山道があり,東坂・西坂・六角坂・刀出坂・鯰尾坂・置塩坂と呼ぶ。東坂から山頂を通って刀出坂へ抜ける道は,山陽自然歩道の一部である。昭和33年南東麓の夢前川畔よりロープウエーが通じ,山頂駅からは摩尼殿近くまで馬車が通っている。円教寺は康保3年性空開基の寺で国重文に指定された建物や仏像も多く,境内は国史跡。歴代姫路藩主のうち本多・松平・榊原家の墓所もある。南麓には女人堂と呼ばれる如意輪寺や嘉吉の乱の時に赤松満祐の居城だった坂本城跡などがあり,昭和43年には市中心部より姫路工業大学が移転。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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