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船場川
【せんばがわ】


姫路平野を形成した市川の分流の1つ。姫路市を流れる川。流長12.3km,流域面積19.2km(^2)。姫路市保城で市川より分岐,姫路市内を南流,播磨灘に注ぐ。古書・古地図には妹背川・二股川・雲見川の名で呼ばれた。慶長5年池田輝政が,姫路城下町を建設した当時,二股川の西流が現在の船場川筋である姫山西方を流れていた。二股川の東流は中濠に利用され,西流は城郭西方の中濠に並行する外濠の一部として利用された。この川が船場川と呼ばれるに至ったのは,本多忠政が姫路藩主となり,当時の妹背川を改修し,飾磨の港との間に舟運の便を開いたことに始まる。元禄8年11月材木町材木屋共口上書によって,寛永元年に船場川筋の改修工事が完成したことが分かる(姫路城史)。舟運が開かれると,市之橋付近は市場となり繁昌し,この地区を船場と呼んだ。当時の船場川は現在より川幅が広く,川筋より西方の米田町は古く河原町と呼んでいた。現在,川岸まで家が立ち並ぶが,もと川沿いの町は片町と呼んでいたことからも河原の存在が知られる。寛政2年には,播磨地区の大水で船場川が氾濫,溺死者408人,流失家屋161戸などの被害を出した。現在,手柄地区以南では川沿いに,散歩道・サイクリングロードが建設されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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