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丹生山
【たんじょうさん】


旧称を「にふさん」といい,土地の古老は「にぶさん」と呼ぶ。神戸市北区,帝釈山地の西部にある山。標高515m。流紋岩からなる。「播磨国風土記」逸文に神功皇后の時,丹土を出土した土地との伝承があり,山名の由来となっている(山田村郷土誌)。「丹生山縁起」によれば,欽明天皇3年百済国聖明王太子童男行者がこの山に明要寺を開山したとあり,わが国仏教発祥の地とされる。また正応2年一遍上人の高弟他阿真教が時宗を再興した地でもある。明要寺は,古代から中世にかけ盛大を極め,丹生(にふ)山田荘の信仰の中心であったが,天正年間の三木城攻めで焼かれた。明治の排仏毀釈で廃寺になり,現在は頂上に明要寺の鎮守であった山王社が丹生神社として残っている。参道は太陽と緑の道に指定され,訪れる人が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7160657