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名古山
【なごやま】


名胡山・名護山とも書く。姫路市の市街地北西部,JR姫路駅北西約2kmの位置にある小丘。標高44.8mの南北に長く延びた丘陵で,4峰ある。東に突出した丘を御前山といい,御膳山とも書く。御前山は標高29.8mで,もと青森山ともいったが,山名は「飾磨郡誌」によれば姫路藩主本多忠政の奥方をこの山に葬ったことにちなむとされる。北西端を名古山と呼び,嘉吉年間の頃名胡左七郎頼之という武士が構居を構えたので,この名がついた。中央部2峰を栗林山といい,名古山に続く峰を小鞠山ともいう。栗林山はもと大きな栗林があったので名がついた。万治年間の頃,山一帯は藩主の命で開拓され山畑となった。明治以来陸軍墓地となり,昭和26年より都市計画に基づき墓地公園化された。栗林山頂上部には6つの小塔があり,中央に高さ37.7mの仏舎利塔が建設され,内部に昭和29年インドの故ネール首相より贈られた仏舎利が納めてある。北東斜面谷間に楠谷池があり,付近の傾斜地から昭和35年弥生式住居跡が発掘された。多くの出土遺物のうち,砥石として使用していた石片が銅鐸鋳型の一部と断定され,わが国で銅鐸の石製鋳型発見の最初の例となった。住居跡は市史跡となり,隣接地に出土品を保管する播磨出土館が建てられた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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