100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

播但山地
【ばんたんさんち】


中国山地東端の兵庫県域の山地を指す。ほぼ1,000m級の山地を連ねて,県の北西部から中央部にかけて脊梁として東西に延びる,県下最大の面積をもつ山地。この山地は,さらに但馬・中央・西播の3山地に細分される。但馬山地は県下最高峰の氷ノ山(1,510m)を含む,県北西域の大部分を占めている山地である。鉢伏山(1,221m),瀞川山(1,039m)のような,新期火山岩類と第三紀中新統の堆積岩などで構成されている。岸田川,矢田川,円山川がこれらの山地を開析して北流しているが,円山川以外は,その沿川部の狭長な谷底平野部分を除いて低地を発達させていない。中央山地は,円山川の支流八木川を北限とし,山崎断層およびその東方への延長線を南限とする山地を指し,県域の中央部にある。標高は500~1,000m級で,西に高く東に低い。構成岩石は主として流紋岩である。この中央山地の山頂部800~1,000mには,各所に隆起準平原が認められている。しかしその平坦さの一因には氷河期の周氷河作用がその形成に与かっていることが確認されつつある。西播山地は山崎断層の南西側に広がる標高300~500mの山地である。これらは,域内を南へ流れる千種(ちくさ)川,揖保(いぼ)川,夢前川,市川などにより小山地,小丘陵群に分離されている。構成岩石は,北西部が古生界,南部が流紋岩類よりなる。これらの山地の頂部300~500mには,隆起準平原が各河川の浸食により断片化した形で広く認められる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7162560