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姫山
【ひめやま】


姫路市の市街地の中心部にある山。山上に姫路城があり,東西2峰からなる。標高は東峰で53.3m,西峰で36.3m。古生層からなる小丘で,南は緩傾斜,北は急崖をなす。山名は,「風土記」飾磨(しかま)郡伊和里の条にある日女道(ひめじ)丘が姫路山になり,さらに姫山になったという。また,白国神社祭神国方姫の鎮座地であるとか,男山に対する山の名称とか,富姫の霊をこの山に祀ったことによるなどの説がある(播磨名所巡覧図会)。姫山を鷺山と称したという古事も多いが,姫路附近之古地図では東峰を姫山,西峰を鷺山と区別している。鷺山は桜木山から転じた名という。姫山の地は,正平元年赤松貞範の築城以来,羽柴秀吉が天正8年三層の天守を築き,慶長5年池田輝政により今日残る姫路城の建築が行われた。山上に五層の大天守と三層の小天守3基を築き,同時に姫山を内部に取り込んで三重の濠で囲んだ城下町を建設した。姫山の西方から北方にかけては,城郭の防備のため古くから人の立入りを許さず,姫山の原生林と呼ぶ一帯がある。昭和43年原生林の植物調査が行われ,143種の植物が確認された。特に火災に強いタラヨウの木が多いことが特色とされる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7162891