二股川
【ふたまたがわ】

江戸期以前の古書や古図に見られる姫路市内にあった河川名。姫路平野を形成した市川の分流の１つ。横手で市川本流から分かれた流れが，今の姫路市野里の日吉神社（山王社）北方で２本の流れとなり，二股川と呼ばれた。東の流れは南流し，橋之町から姫路城東部中濠辺りを流れたようで，中濠はこの川筋を利用したものと考えられる。この流れは総社付近で西方に曲がり青見川と呼ばれ，姫山南西方で二股川の西流と合流していた。日吉神社北方から西流した別の流れは，やや西方へ流れ，ほぼ現在の船場川筋を流れていたようである。この流れも，姫路城の中濠・外濠として利用されたとみられる。城北方の河間(こばさま)町は，かつての地形を示す町名である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7163364