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保久良山
【ほくらさん】


神戸市東灘区本山町にある山。標高182m。金鳥山の山裾が南西に突き出た突端に位置し,南側は急斜面で平地に臨む。延喜式内社保久良神社が祀られ,境内は楊梅(やまもも)など照葉樹の社叢に囲まれ,古代祭祀遺跡といわれる磐座(いわくら)の巨石群や弥生時代の土器・石器・銅戈の出土もある。社頭には氏子により守り伝えられて来た「灘の一つ火」がたち,神武東征説の椎根津彦命の伝承をもつ。近世,祭神を牛頭(ごず)天王,本庄9か村の総鎮守。ふもとの兎原郡一帯に蕃衍した椎根津彦命の子孫が,平地に臨む景勝の地に祖神を祀り,「一つ火」を航海の目印として守ったと伝えられる。地名は神殿(かむくらのほ)・火の倉・神倉・神庫・祠の諸説があり,神社に由来することは共通している。古代から現在に続く祭祀地として知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7163567