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摩耶山
【まやさん】


六甲山地の中央部,神戸市灘区の市街地に突き出た山。標高698.6m。市街地に臨む南斜面は諏訪山断層に接する末端三角面が発達し,摩耶ケーブルが敷設されている。頂上近く南側に摩耶夫人像を安置した仏母摩耶山忉利(とうり)天上寺の故地がある。昭和58年山上の元摩耶の地に遷座するまでは信仰の中心地であった。山上の眺望は広く八州嶺(摂津・淡路・播磨・丹波・但馬・河内・和泉・紀伊)と呼ばれる。特に東の広場は掬星(きくせい)台と名付ける。青谷登山道の行者茶屋付近から上部の国有保安林は喬木に覆われ,下草もよく保存されて,全体として暖帯林の極相を示す。山上一帯は奥摩耶遊園地となり,各種の施設がある。忉利天上寺の旧境内も天上寺史跡公園として整備されている。登山道は古来信仰の道として幾筋も開かれ,特に上野道・青谷道・元摩耶道が知られる。新しい交通路は市街地から摩耶ケーブル・摩耶ロープウエー,北西側からは奥摩耶ドライブウエーがある。元弘元年赤松円心が忉利天上寺を中心とした摩耶山城に籠り,京都の北条勢と戦った摩耶合戦が知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7163821