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三草山
【みくさやま】


加東郡社町市街地の北東8kmにある山。標高423m。白亜紀後期~古第三紀,有馬層群の流紋岩が分布する。頂上から播州平野の眺望がよく,ハイキングコースになっており,畑と鹿野から登山道がある。北西麓を通る国道372号は,古来より京都,丹波から西国に向かう京街道としてにぎわい,要衝の地にある三草山は歴戦の場でもあった。寿永3年2月安徳天皇を奉ずる平氏は一ノ谷に拠り,裏街道である京街道を固めるために平資盛ら3,000余騎を三草山に配した。一方,小野原に陣を構えた源義経の1万余の軍勢は,上鴨川を通り,約12kmの道を駆け,夜討ちをかけたため,平氏の軍は敗走し,屋島に逃れた。建武3年には,京都の戦いで敗れた足利尊氏が丹波から三草山を越え兵庫に向かっており,「風雅集」に三草山の名がみえる。その後も赤松氏と山名氏の戦いがあった。山頂には,南北朝期に赤松出羽守則友の築いた山城が置かれ,現在も土塁跡が残っている。近世には入会地となり,明治期に至るまで山論が絶えなかった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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