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三岳山
【みたけやま】


篠山市にある山。標高793.4m。多紀連山の最高峰。三岳とも書く。旧畑村の正面にそびえているため,地元では畑山とも呼ばれてきた。多紀連山県立自然公園の中心を占める山で,地質は中・古生代の粘板岩,頁岩などよりなり,頂上付近は珪岩(チャート)よりなる。露岩が多く分布し,北側には断層崖が発達,急峻な傾斜をなす。平安末期~中世の山岳仏教が盛んであった頃,多紀連山一帯を行場とする三岳修験道の中心道場として南側の7合目付近に大岳(みたけ)寺があった。文明14年大峰山僧兵の来襲をうけ敗退,その折に大岳寺や寺坊は全焼したと伝えられている。現在,その寺跡には約20個の礎石が散在するのみであるが,新金峰山大岳寺と称した隆盛ぶりをしのばせる。昔は,三岳を藍婆ケ峰とも呼んだ。「藍婆」とは仏教用語で悪魔を意味し,この悪魔を征服するために三岳修験道が始まったと伝えられている。三岳を中心にした修験道は,東の篠見四十八滝より三岳までを金剛界回り(表行),三岳より西の栗柄,滝ノ宮までを胎蔵界回り(裏行)とし,両方を合わせて本行(全行)とした。登山コースとしては,篠山市栗柄,奥畑,東方の鞍部である大からが一般的であるが,それらは旧修験道と考えられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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