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荒池
【あらいけ】


奈良市山之上町にある池。春日山より流下する率川を,春日大社一の鳥居西南でせき止めて築堤したもの。天正17年に大和大納言豊臣秀長が奈良代官の井上源五に命じ,奈良中の人夫一円惣出により築造させ,江戸期には三条村の用水池として利用。秀長は,荒池とともに正倉院前の大仏池も築造し,油坂・芝辻両村の用水池とした。江戸期の一時期には荒廃していたらしく,奈良町絵図には描かれておらず,池床跡と思われる場所には,興福寺の塔頭が描かれている。現在の荒池は,明治23年に三条村と大森村の用水池として再築されたもので,面積2.5ha,貯水量7万5,000m(^3)。灌漑面積もかつては80haを有したが,市街地の拡大によって減少した。今日ではボートを浮かべることも可能で,池と周辺一帯は奈良の観光地の1つとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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