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大台ケ原山
【おおだいがはらやま】


吉野郡上北山村と三重県宮川村との境に位置する大峰山脈の東側に南北に連なる台高山脈の主峰をなす。また吉野川・北山川・宮川の水源地をなす。山頂域には牛石ケ原・正木ケ原・西大台ケ原などの高原状の平坦面が約40km(^2)広がり,周囲は群峰のうち最高峰の日ノ出岳(1,695m)・三津河内山(1,654m)・経堂塚山(1,529m)が東・北・西の三方を限る。南側は北山川の支谷東ノ川の深い浸食による滝と絶壁が発達,大蛇嵓や千石嵓などの奇景を形成する。イトザサ原野とヒメシャラシャクナゲ群落の景色は見事。年間雨量5,000mmを超すわが国有数の多雨地帯であり,山中には原始林的な樹林が繁茂。標高800mまでは常緑広葉樹林,1,500mまでは落葉広葉樹林,それ以上はトウヒ・シラビソ・トガサワラなどの針葉樹林となる。クマ・カモシカ・サルなどの野生動物も多く,オオダイガハラサンショウウオが生息する。地質は中生界(日高層群)からなる。明治初年頃高原の開拓が試みられたが失敗し,「開拓」という地名のみが残った。明治32年古川嵩によって大台教会が開設された。山上には気象観測所がある。登山道は,上北山村の小処温泉から原始林を経て千石嵓・大蛇嵓・東ノ滝を正面に見つつ開拓を通り大台教会へ出るルートが最も利用された。現在は北西方の伯母峰峠から大台ケ原まで有料のドライブウエーが開通している。吉野熊野国立公園に属する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7165797