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大峰山脈
【おおみねさんみゃく】


紀伊山地の中央部に位置し,吉野郡内に広がる褶曲山脈。山脈名は北部の霊山山上ケ岳を大峰と称することに由来。東を北山川,西を十津川と吉野川上流によって区切られた南北に約50km連なる壮年期の山脈で,近畿の屋根・大和アルプスとも称される。北方から大天井ケ岳・山上ケ岳・稲村ケ岳・大普賢岳・行者還岳・弥山・八経ケ岳(仏経ケ岳・八剣岳)・明星ケ岳・七面山・仏生ケ岳・孔雀岳・釈迦ケ岳・大日岳などが続き,南方は十津川村の玉置山に至る。地質は,北部が古生層,中部以南は中生層,この間を南北に大峰酸性岩類に属する石英斑岩が細長く分布。北部の洞川や柏木付近には石灰岩が挟まれ,鍾乳洞も見られる。降雨量が多く森林に恵まれ,特に八経ケ岳付近のオオヤマレンゲ自生地は国天然記念物に指定され,山脈の東側を中心に吉野熊野国立公園に属する。急峻な山々は古くから修験道の対象とされ,山上ケ岳頂上の山上蔵王堂(大峰山寺)がその根本道場で,現在も女人禁制が守られている。山上ケ岳より弥山・仏経ケ岳・釈迦ケ岳から尾根伝いに前鬼に至る修行道を奥駈けといい,健脚でも2日はかかるという。また南の熊野から入り吉野山で終わる修行を順峰,吉野から南へ進む修行を逆峰と称する。近年は一般の登山者も多い。山上ケ岳へは,近鉄吉野線下市口駅から洞川までバス,同地から徒歩約4時間を要する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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