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小牟漏山
【おむろやま】


吉野郡東吉野村西部にある山。標高686m。四郷川・高見川に囲まれた山地の中央部で,南側山麓に集落がある。「大和志科」には「国樔村大字小村ノ上方ニアリ」とあり,「大和名所図会」には「小村の上方にあり,清峰喬く聳え,渓水麓をめぐる。山中に神祠あり」とある。「古事記」には「みよしののをむろが岳に鹿ふすと誰ぞ大前に奏す」と詠んだ雄略天皇の歌がある。中世には土豪小川氏の山城が建設され,東熊野街道と伊勢南街道の結節点としての要所を占めた。また,東端の四郷川と高見川の合流地点には丹生川上中社があり,緑濃き木立に囲まれて流造・檜皮葺の本殿などが建ち,10月16日には勇壮な例祭が行われる。この背後の境内にツルマンリョウが自生し,国天然記念物に指定されている。また一帯は室生赤目青山国定公園に属する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7166009