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喜佐谷川
【きさだにがわ】


古くは「きさのかわ」と称し,象の川と書いた。吉野郡吉野町内を流れる1級河川。流長3.9km,流域面積6.6km(^2)。青根ケ峰付近に源を発し,北流して吉野町喜佐谷で吉野川左岸に注ぐ。水分山付近に発した支流が高滝を経て,喜佐谷集落の奥で左岸から合流する。「キサ」はギザギザした木目のように蛇行する状態をさす語で,象牙文が木目に似ているため象という文字をキサと義訓したという(吉野町誌下)。古代より象の小川として古歌に詠まれている。「万葉集」には大伴旅人の歌として「昔見し象の小川を今見ればいよよ清けくなりにけるかも」(316),「わが命も常にあらぬか昔見し象の小川を行きて見むため」(332)の2首がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7166433