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行者還岳
【ぎょうじゃがえりだけ】


吉野郡の上北山村と天川村の境にある山。標高1,546m。剣ケ岳ともいう。大台山系北部に位置し,秩父古生層の硬砂岩・礫岩・チャートからなり,三角形の岩峰からなる雄峰。かつて奥駈けが行われていた時は頂上を越えたが,明治10年頃に横駈道が開かれ,「行者還の雫水」と称される水場を通る。山頂の南方の絶壁下の台地上に小屋がある。東側は薩摩人がそこで死んだことから「サツマゴケ」と称される急斜面となっている。山小屋の南を天川村川合と上北山村天ケ瀬とを結ぶ道があり,天川辻・北山越と称する。かつて標高1,500mのこの峠を両村の人が越えたが,伯母峰峠に車道が開通したのちは廃れた。しかし,近年,行者還岳の直下をトンネルによる林道が貫通したため,天川方面と上北山方面とが直結されることになった。なお,山頂下の植生はブナが卓越している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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