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荒神岳
【こうじんだけ】


吉野郡野迫川(のせがわ)村の中央部にある山。標高1,260m。伯母子山地の西端部にあたる。「大和名所図会」には「北俣,池津川二村の界にあり,峻険にして山頂に小祠あり」とある。北の峰の祠は三宝荒神を祀る荒神社。火の神であり竈の火を守る婦人の参拝者が多く「立里の荒神さん」として広く知られてきた。南の峰の最高地点は古荒神と称され,かつて荒神社が祀られていたとされる。なお,山麓の立里には紫園,金屋淵とならんで近世末から銅山の開発が行われ,昭和に入って本格化した。ここから坂本・天辻経由で五條の二見まで索道も建設された。戦時中休山したあと,昭和23年に再開され,のちに五條鉱山と名付けられた。毎年2~3万tの生産量を示し,最盛期には300人を擁したが,その後石油精製の普及に伴い不況となり,同37年閉山となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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