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金剛山
【こんごうさん】


葛城山・高天山・高間山とも称する。御所(ごせ)市南西部に位置し,諸峰が南北に連なる葛城山脈の最高峰。標高1,128m。河内国(現大阪府南河内郡千早赤阪村)との境界上に位置する。山名は金剛砂を産出したことによる(大和志料)。役小角創建と伝えられる金剛山転法輪寺の山号にちなむともいわれる。雄略朝に天皇と一言主神との狩猟伝承があり(古事記雄略段,雄略紀4年2月・5年2月条),斉明朝には空中を竜に乗り,容貌は唐人に似た者が青い油笠を着て葛城嶺から出現したと伝えられる(斉明紀元年5月庚午条・住吉大社神代記・扶桑略記・帝王編年記)。天武朝に葛城山で麟角を得たとして献上されている(天武紀9年2月辛未条)。さらに,文武朝には葛城山で修行した役小角の伝承が見える(続紀文武天皇3年5月丁丑条,霊異記上28)。奈良期以後,山岳信仰の霊場であった当山は修験道の発達に伴い有名となる。山中には修験道場に関する古地名が存した(諸山縁起)。元禄13年の争論により現在の県境が決定する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7166986