坂手池
【さかてのいけ】

大和期に見える池名。景行朝に「坂手池」を作り，堤の上に竹を植えたとある（景行紀57年９月条）。現在の磯城郡田原本町阪手に比定する説が古来有力であったが，同町新町と八尾にまたがる東西500m，南北300m，面積11.2haに及ぶ池跡に比定する新説が提示されている。すなわち，この地域のみ条里制に基づく阡陌地割が乱れており，池ノ内の小字も残ることから，きわめて古い池跡と推定される。池名としては，韓人池（応神紀７年９月条）とも推定されるが，坂手の地名をより広く考えるならば（多聞院日記天正２年12月12日条），坂手池に比定することが可能である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7167058