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山上ケ岳
【さんじょうがだけ】


吉野郡天川村にある山。標高1,719.2m。大峰山脈の主峰。役行者が開いたと伝える修験道の根本道場で,現在も女人禁制が守られている。「大和志」には「吉野山より南六里,洞川の東南にあり,山勢高峻にして霜雪厳沍たり」とある。山上には蔵王権現を祀る大峰山本堂があり,山開きの5月3日から9月22日までの期間は多くの信者や登山者でにぎわい,ホラ貝と鈴の音が山や谷間にこだまする。山塊は,秩父古生層の岩石からなっており,山上にはこの岩壁を利用してつくられた表行場および裏行場がある。山頂には一等三角点があり,その北に広がる長さ200m,幅100mほどの平地は,小規模なササの群生地でお花畑と呼ばれている。ここからの眺望は南方と西方に限られるが竜ケ岳から弥山に至る大峰山脈と釈迦ケ岳の頭部,さらに眼前に豪壮なる稲村ケ岳の全容および観音寺峰や扇形山が展望される。なお大峰山寺では,昭和59年11月本堂改修に伴う発掘調査中,純金の小仏像が発見された。登山道は,一般に下市から洞川を経て登るコースが利用されるが,ほかに吉野山から尾根伝いに登るコースと大和上市から柏木を経て登るコースがある。なお登山者のなかには奥駈けと称して大峰連山を南へ縦走して修行するものもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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