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大普賢岳
【だいふげんだけ】


吉野郡の川上村・天川村・上北山村の境界にある山。標高1,779.9m。大峰75靡63番の宿があり,古来山岳信仰の行場でもある。山頂より東へ1kmの笙ノ窟,南西の国見岳・七曜岳に向かう尾根筋には,南と東側斜面を中心にして頽岩・露岩・崩土などの変形地が急崖をなし,北の脇ノ宿跡に通じる尾根筋の東側斜面にも頽岩や露岩が急峻な地形を形成する。そのために大普賢岳を北西方に山上ケ岳より見れば雄大であり,東方の伯母谷や和佐又山からは岩壁に囲まれた険峻な姿である。南西方の弥山や八剣山からは剣を立てたような尖峰が連なる奇観である。西方の谷を国道169号が通じ,上市(かみいち)・伯母峰峠・河合などを経て大和高田市に至る。「吉野物産志」には「金,笙窟ニ生金ヲ産ス」とある。経箱石の行場は役行者が法華経8巻を納めた場所という。治承年間の大地震で経箱が落ち竜神により天上に持ち去られたと伝えられる(大峰秘記)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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