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竜田山
【たつたやま】


生駒郡三郷町の大和川北岸,生駒山地南端部の山々の総称。「大和志料」に「立野ノ上方ニアリ,山勢雄偉巨川麓ヲ遶リ山秀テ水清ク名勝タリ,紅葉ヲ以テ世ニ著ハル,其河内国大懸郡ニ達スル坂路ヲ立田越ト称シ又亀ノ瀬越ト云フ,即チ大和ヨリ難波ニ至ルノ古道ナリ,神武天皇紀ニ溯流而上至河内国草香邑青雲白肩津……皇師勤兵歩趣竜田而其路狭険人不得並行ノ還更欲東踰胆駒山而入中州……ト是ナリ」とあるように神武天皇東征の際にも,竜田道は狭く険しいため,越えることができなかったことがわかる。また,壬申の乱には,竜田は河内から大和への近江軍の軍路となり,天武天皇8年に当山と大坂山に関が設置された(天武紀8年11月是月条)。当山は古くから歌に詠まれ,「竜田山見つつ越え来し桜花散りか過ぎなむわが帰るとも」とあるように「万葉集」には桜花などを題材に十数首があげられる。また,「後撰和歌集」や「古今集」には「立田山」とも見える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7167934