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富雄川
【とみおがわ】


古くは富小川といった。生駒市北部の傍示(ぼうじ)付近に源を発し,矢田丘陵東方を南流して奈良市に入り,さらに大和郡山市―生駒郡斑鳩(いかるが)町―同郡安堵村を通過して,西名阪自動車道法隆寺インターチェンジ北方で大和川に注ぐ。1級河川。流長24.3km,流域面積46.4km(^2)。主な支流に,沖台川・芦川・秋葉川・美の原川・中村川・木山川・岡崎川がある。「地名辞書」は,中世鳥見(とみ)荘のあった現奈良市中町付近を流れるとする。最上流部には,昭和39年に完成した高山溜池があり,流域は,現在住宅地化が著しい。古来より多くの歌に詠まれ,聖徳太子が薨じた時,巨勢三杖大夫が詠んだ歌に「鵤の富の小川の絶えばこそわが大君の御名忘られめ」とある(霊異記上ほか)。なお,正安4年の「放光寺古今縁起」には「城上郡登美河」とともに「葛下郡富河」の表記が見える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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