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毛無の岳
【ならしのおか】


飛鳥期~奈良期に見える岳名。ケナシと訓む説もある。「万葉集」巻8に志貴皇子の歌として「神名火の磐瀬の社の霍公鳥毛無の岳に何時か来鳴かむ」(1466),大伴田村大嬢が妹坂上大嬢に与えた歌に「故郷の奈良思の岳の霍公鳥言告げ遣りしいかに告げきや」(1506)と詠まれる。所在地については諸説があり確定しない。現在の生駒郡斑鳩(いかるが)町小吉田・目安付近,同郡三郷町立野の坂上,または飛鳥地域などに比定する説がある。ちなみに,壬申の乱の際,大海人皇子方の武将坂本臣財らが竜田から高安城を攻めた時,途中「平石野」に駐屯したとあるが(天武紀元年7月条),「地名辞書」は平石をナラシと訓み,斑鳩町小吉田・目安付近に比定する。また,平群町に那羅志大神を祀る丘がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7168530