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布留川
【ふるがわ】


古川・振川とも書く。天理市の竜王山に源を発し,北流した後,平野部に入り,西流して初瀬川と合流する。1級河川。大和川の支流。流長11.22km,流域面積40.9km(^2)。「大和志」には「源出藤井・仁興・長滝・桃尾等山中至布留村曰布留川歴河原城・富堂・嘉幡至城下郡界注初瀬川」と記されており,天理市苣原(ちしやわら)より西流する当川が右岸から長滝川,左岸から藤井川を合わせる地点(長滝町横川)に天理ダムが建設された。滝本町を西流,石上神宮(布留社)の北東を流れるあたりから扇状地を形成しており,天理市の市街地は,この上に立地する。石上神宮北東の「一の井」で当川の水量は均等に二分され,さらに分流して大和川・佐保川と合流する。一の井で二分された川筋のうち,北側を流れる川筋の村は布留の北郷,南側を流れる川筋の村は南郷という。「万葉集」に「いにしへもかく聞きつつや偲ひけむこの布留川の清き瀬の音を」「吾妹子や吾を忘らすな石上袖布留川の絶えむと思へや」(1111・3013)の2首があり,「古今集」や「新古今集」には「はつせ川」として歌われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7169294