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布留山
【ふるやま】


天理市布留町,石上(いそのかみ)神宮の東側にある円錐形の山。標高120m。石上神宮の神奈備であるといわれ,山中には岩石からなる磐坐(いわくら)があり,そこを神の宿る地点と考え,その神を「石(いそ)の神」と呼んだのが,石上の名称の由来であるといわれる。石の神の本体がわが国の神話では重要な剣の1つで,また神宮の主祭神である布都御魂で,神武天皇東征の際に,熊野で邪神を平定した名剣であると伝えられる。「万葉集」では柿本人麻呂が「をとめらが袖布留山の瑞垣の久しき時ゆ思ひき吾は」(501)と詠み,ほかに「石上布留の神杉神さびし恋をも我は更にするかも」(2417)の1首もある。神宮はハイキングコースとして知られる山辺の道の途上に位置し,このコースは東海自然歩道としても指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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