100辞書・辞典一括検索

JLogos

7

三重の滝
【みえのたき】


「さんじゅうの滝」ともいう(前鬼山宿坊)。吉野郡下北山村前鬼にある滝。前鬼川上流の支谷に懸かる滝で,馬頭の滝,千手の滝,不動の滝と3段をなす。修験道の大峰七十五靡28番の行所で,前鬼山裏行場であり,熊野奥駈修行中の難所である。「大和志」に「三重瀑布在善鬼村屏風岩山其高数十仭雲霧常凝瀑上」と記されている。また大沢行者(大沢円覚)の記録には,「二十八,三重滝,是レハ前鬼山裏行場ニアルナリ。馬頭滝六十間,千手滝八十間,不動滝百二十間アリ,三重滝ト言フ。垢離取リノ行場,屏風の横駈,三十八宿ノ鎮守アリ,閼伽井,両界窟アリ,特別霊地場也」とある(近畿霊山と修験道)。西行が「身に積る詞の罪も洗はれて心すみぬる三かさねの滝」と詠んでいる(山家集)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7169537