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水越川
【みずこしがわ】


県の西部,御所(ごせ)市内を流れる川。葛城川の支流。延長4.7km,流域面積3.7km(^2)。1級河川。「大和名所図会」に「水源水越嶺。関屋・長柄・森脇等を経て,御所市の南に至ってかつらぎ川に入る」と記され,「大和志」にも「水越渓」と記され,同様の記述がある。水越峠付近で元禄10年頃より大和と河内の間に水論(境論・山論を含む)が生じた。金剛山頂は大和側にあるが谷は河内に向かっているため水は河内に流れていく。しかし,古くから開発された大和側は河内との境の越口(こせぐち)に堰を作り,万治ケ滝(行者滝)から大和側(水越川)へ水を落とす慣行があり,水越川扇状地に位置する吐田(はんだ)郷の用水となっていた。しかし,河内側の開発が進み水の需要が増加するに従い,峠の水が人工的に大和側に落とされていることに河内の農民は堪えがたく,同14年河内側農民が堰を切り落とし,吐田郷の人々が同年京都所司代に訴えた。その結果越口切通しの万治ケ滝用水は吐田郷のものであると判決されている(御所市史・水と生活―大和の水の歴史―)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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