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三室山
【みむろやま】


生駒郡斑鳩(いかるが)町,大和川との合流点に近い竜田川右岸にある小丘。標高82m。「経覚私要鈔」には「神南山」と見え,付近に神南集落がある。「大和志」には「在神南村,嶺号大島」とあり,神奈備山であるとし,「類聚名物考」にも神南の地が神奈備であったことが記されているが,本来的には大阪府との境界に近い同郡三郷町にある同名の山が実際のものであり,聖徳太子が法隆寺建立に際してその鎮守の神として竜田大社(本宮)を勧請し,新宮(竜田神社)を開いた時に竜田川などの名所の名前もともに移ったものであろうと考えられ,この場合にはたつた(竜田)川は平群(へぐり)川のことではないかと推量されている。山腹には式内社の神岳(かみたけ)神社があり,山頂にある五輪塔は能因法師の供養塔ともいわれる。一帯は県立竜田運動公園の区域内にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7169716