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三室山
【みむろやま】


生駒郡三郷町西部,大阪府との境界近くにある山。標高137m。「古今集」に「たつた川もみぢばながる神なびのみむろの山に時雨ふるらし」とあり,また「後拾遺集」に能因法師の歌として,「嵐ふくみむろの山のもみぢ葉はたつ田の川の錦なりけり」と歌われている。「大和志」には三室山の所在が約4km東方にある同名の山で(同郡斑鳩(いかるが)町),その山が神奈備山であると記されているが,「旧跡幽考」には三室山の位置を「本宮より四町ばかり。三室は神の社をいへり。三室山は神のいます山なり」とあり,竜田大社(本宮)の近くにある山を正式としている。この場合の竜田川は現在の大和川本流ではないかと推測される。聖徳太子が法隆寺建立に際して竜田大社の新宮を造営した際に,現在の斑鳩町の地でも三室山,竜田川などの名が使われるようになったものと考えられている(近畿名蹟全書)。竜田大社から三室山麓を経て現在の大阪府柏原市の雁多尾畑に至る道は,古道竜田越のルートと考えられる。金剛生駒国定公園の区域内にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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